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大学1年生にも内定!? USEN-NEXT HOLDINGSが生み出す採用革命と働き方改革

売り手市場と呼ばれる採用事情も手伝って、企業側が多様な採用方法を取り入れています。求職者の立場に寄り添い、自分らしさを出しやすい状態で求職者と接したい、と企業側は創意工夫をこらしています。

なかでも株式会社 USEN-NEXT HOLDINGSは、様々な手法を取り入れ「求職者ファースト」を貫く採用活動を行っています。2019年度の新卒採用では、動画投稿をはじめ様々なエントリーメニューを用意。2018年6月には、「かっこよく、働こう。」というキースローガンも発表し、働き方改革の先陣も切っています。

今回は、入社前のフェーズとしてキャリア採用について、入社後のフェーズとして働き方について、USEN-NEXT HOLDINGSの取り組み方を取材。同社執行役員の住谷 猛氏、Career Recruitment Leader(キャリア・リクルートメント・リーダー)を務める藤島 紫織氏に採用プロジェクト全般や、3月からスタートした「大学1年生にも内定を出す」新採用プロジェクトまで幅広く話を伺いました。


住谷 猛氏&藤島 紫織氏のプロフィール

住谷 猛氏(右)

株式会社 USEN-NEXT HOLDINGSにて執行役員 コーポレート統括部長を務める。大学卒業後から人事部門でキャリアを築き、1999年に人事部長として大阪有線放送社、現在のUSEN-NEXT HOLDINGSに入社。人事・総務部門担当役員や法人営業部門担当役員などを歴任し、2017年12月のUSEN-NEXT HOLDINGS発足時より現職。

藤島 紫織氏(左)

株式会社 USEN-NEXT HOLDINGSにてCareer Recruitment Leaderを務める。People Activation部 Recruiting課に在籍し、キャリア採用全般を担当している。

採用と働き方の刷新は「人と組織の活性化」のため

ferret
御社が積極的な採用戦略を図り、先進的な働き方改革を行う理由をお聞かせください。

住谷氏
2017年12月に経営統合して「USEN-NEXT HOLDINGS」が発足しました。同時に組織風土も変えなければならないと考えた時、未来を描くのに重要なのは「人と組織の活性化」である、と認識を改めたわけです。

具体的には、1つが採用の全面的な見直し。新卒採用とキャリア採用の両方を根本的にゼロから作り直しました。もう1つが働き方改革。組織の源である既存の社員たちを活性化するために、私たちは新人事プロジェクト「Work Style Innovation」を立ち上げて、具体的な施策を実行中です。

ferret
先に採用について伺うと、2019年度の新卒採用では「超!全力採用」を開始。動画投稿によるエントリーなど6種類の多様な採用手法を用意して話題を集めました。キャリア採用についてはいかがでしょうか?

住谷氏
キャリア採用で究極的に見定めたいのが、私たちのカルチャーと求職者とのフィッティングの1点です。求職者のスペックは職務経歴書である程度伝わりますので、そこだけでは測れない、私たちが描く将来戦略や未来像、事業ドメインに対して共感してくれる人材かどうか、という相性を探る場が面接です。

ferret
御社のように採用手法が多いと、フィッティングを測るのは難しそうですが、いかがですか?

住谷氏
そこは「面接力」に尽きます。私たちの考えは、人事機能はホールディングスが担い、各事業会社だけには任せていません。全国の事業会社でキャリア採用を行いますが、必ず一度はホールディングスの人事が見てスクリーニングをきちんと行う形にしています。

ferret
昨今の採用の潮流だと、現場に合わせる考え方が多そうですが?

住谷氏
私たちはむしろ現場に合わせるべきではない、と考えています。ホールディングスに所属する人間は、経営側からメッセージを発信する立場ですし、弊社のカルチャーのコアをもっとも理解して、伝える側の立場です。事業会社まかせだと、明日から来てほしい、といった現場のニーズが強くなりがちですから。やはり、弊社の規模では本社の人事が統括して取り組むことが大切になってきますね。

コーポレート動画でダイレクトリクルーティングに初成功

ferret:
キャリア採用では、新卒採用のようなユニークな採用手法を取り入れていますか?

住谷氏
LIVEビデオインタビューは同じくやっています。全国各地のローカルの採用では、本社の人事が面接するのに求職者に負担が少ないLIVEビデオインタビューが有効です。

元々LIVEビデオインタビューは、国土の広大な全米で普及する採用手法で、キャリア採用向けに生まれた仕組みとされています。ある会社から提案があって導入を決めた後、キャリア採用だけでなく新卒採用への導入もすぐに決めて、地方在住の優れた学生との接点作りに役立てています。

ferret
LIVEビデオインタビューで遠方の求職者にアプローチできるというのは大きな利点ですね。その他に「動画の利用」という点ではどのような取り組みがあるのでしょうか。

住谷氏
「Work Style Innovation」のコンセプトムービーの拡散です。コーポレートサイトでは、採用別に複数あるコンセプトムービーを公開中です。1編3〜5分くらいの動画を通じて、口頭の説明では伝わらないカルチャーの雰囲気を伝えています。キャリア採用/新卒採用を問わず、採用全体の課題はムービーが観られるオウンドメディアへのリーチとなります。

ferret
応募者数の変化など、ムービー効果はいかがですか?

住谷氏
直接コーポレートサイトを経由して動画を視聴した応募者が入社へとつながったケースが出てきています。以前までは考えられなかったケースですね、今までは他の媒体経由かエージェント経由ばかりでしたから。オウンドメディアに用意したムービーの拡散が、リクルーティング機能や採用力を上げるエンジンになっています。

実際に面接で動画が話題になることがあります。それが手応えになっていますし、ないようだと問題なのです。求職者側から「かっこよく、働こう。」という言葉が出てくるかどうかが、採用での重要なポイントとして位置づけています。メッセージやコンテンツが共感されているということが重要なのです。

藤島氏
もう1つ、別の側面の効果を挙げると、面接を終えて最終意思決定の段階で求職者がムービーを見返すケースが出てきています。会社の雰囲気などを再確認できるので、入社への後押しにもなっていますね。


採用戦略を支える3つのポリシーとは?

ferret:
キャリア採用の戦略を考えるにあたって、大切にしていることは何でしょうか。

住谷氏
キャリア採用に限らず採用戦略のキーとなるポリシーが3つあります。1つ目は「Fair」、2つ目は「Convenient」、3つ目は「Innovative」です。

「Fair」とは、企業と求職者との関係が公平であること、です。従来までは会社が求職者より上に立つ、という上から目線の構図でした。確かに面接は選考で合否はつけますが、逆に求職者が「この会社は自分に合っているのか」と会社を選ぶ側でもあるという「Fair」の考え方を必ず採用戦略の設計思想に入れています。

「Convenient」は、離れた場所、夜などの日中以外の時間帯でも面接の場が持ち合えるような利便性の担保です。「LIVEビデオインタビュー」がそうですね。求職者との場所と時間のハンディキャップを埋めたいという弊社のスタンスにも共感してほしい取り組みです。

「Innovative」は、革新的な採用手法を開発して実行することです。様々な取り組みを通じて、私たちのカルチャーである「Challenge & Innovative」を感じてほしいです。

こうした設計思想や取り組みに共感してくれることがスクリーニングにもなるので、「LIVEビデオで面接をしてくれるんだ!」、と興味深く思える人たちほど実際に入社後のマッチングも高いです。リクルーティングの手段は何でも挑戦しながら、3つのポリシーは外さずに考えています。


「仕事ファースト」がスーパーフレックスやテレワークを実現

ferret
「Work Style Innovation」に基づく働き方についても伺います。具体策として、すでにスーパーフレックスタイム制度やテレワーク勤務制度を導入しています。

住谷氏
本質的な働き方を突き詰めると、代表の宇野 康秀とのディスカッションの中でたどりついたのが、「時間と場所からの解放」でした。

国内企業の多くが、まだまだ朝9時出社、夕方6時まで拘束といった状態です。これを変えたくて、私たちは「仕事ファースト」を掲げて、スーパーフレックスタイムやテレワークという仕組みを全社で導入しました。社員一人ひとりには、いつどこで誰とどのように仕事をするのか?自律的に働き方をデザインしてほしいと考えています。

ferret
藤島さんのように働く立場としては、いかがですか?

藤島氏
私はキャリア採用を担当しているので、夜7時や8時に面談ということが週に3回くらいあります。その分、翌朝は事前に朝遅く来られるようにできるので、心身ともに負担を分散できています。心がけとして、上長には必ず会う時間帯が限られるからこそ、自分の進捗状況をメールや資料の形で残すなど報告の意識が高まりました。

住谷氏
国内の多くのテレワークの環境は、セキュリティ上、社内の業務システムに入れませんでした。私たちは業務効率を重視して、一定のセキュリティを保って別の環境からでも社内システムに入れるようにして、社内でも自宅でも同じ環境を実現しました。

例えば、夕方5時の保育園のお迎えで時短勤務扱いだったのが、フレックスで時間を引き上げた出勤が可能ですし、お子さんのお迎えをして帰宅後の家事が落ち着いた夜8時からテレワークを2時間してフルタイム、ということも可能です。

ferret
実際に導入していかがですか?

住谷氏
まだまだ課題は多いです。だからこそやりきりたいのです。

社員は制度やルールを変えられない立場です。経営側が先回りして制度やルールを作って、マネジメントが変わる必要がある。今一番苦労しているのはマネージャー職でしょう。今までは決まった時間に行けばみんながいたのに、いないわけですから(笑)。つまり、働き方改革とは「マネジメント改革」なのです。

しかし、マネジメント改革としてのマネージャー職の教育についてはまだまだ試行錯誤の段階です。今後は力をもっといれていく予定です。

大学1年生にも内定? 採用プロジェクト「GATE」がスタート!

ferret
今回はキャリア採用を中心に、採用戦略の全体にも触れていただきました。最後に、今後の計画や展望を最後に教えてください。

住谷氏
今年の2020年度採用から、新しいリクルーティングプランとして「GATE」を実行します。狙いは、新卒採用とキャリア採用の垣根を取り払うこと。私たちに共感する仲間を、性別、年齢、居住先、国籍、学歴、職歴など関係なく募りたい、という制度です。Anytime(いつでも)、Anyone(誰にでも)、GATE(門)が開かれている、というコンセプトです。

ferret
どのような方法を予定していますか?

住谷氏
キャリア採用も新卒採用も、3つの項目を埋めればOK、です。3つとは、名前、生年月日、メールアドレス。この3つだけでエントリーが終了し、そこから選考を始めます。

キャリアも学生も区別はなく、大学一年生にも内定を出します。卒業を待っての入社でも構わないですし、在学中から社員にもなれます。アルバイトして学費を払わなければならない事情を抱える学生なら、社員になって学生を続けながら弊社で働くことができます。実戦での経験も積めます。

ferret
インターンではなく、ですか?

住谷氏
はい、正社員です。キャリア採用については、私たちは17の事業会社があるので、キャリアプランを幅広く持っていただいている人ほど興味を持ってもらいやすいでしょう。

転職は求職者にとってリスクでもあります。企業カルチャーとのマッチする新しい活躍の場を、求職者が納得できる形で提供したいのです。そのためにも、今後もイノベーティブな採用に積極的でありたいですね。

まとめ

企業の採用活動は、採用マーケティングという言葉も飛び交ったり、昨今は多様なアプローチを模索する企業が増えています。一方で、具体的に実践し成果にまで結びつけている企業は限られているのが現状です。

2018年6月から「かっこよく、働こう。」を旗頭に、豊富なチャネルで求職者との接点を用意するUSEN-NEXT HOLDINGSは、組織全体の事業規模の大きさを考えても、国内企業に対するインパクトは絶大です。

従来の限られた手法に大きな一石を投じる同社の取り組みには、得られる気づきが少なくありません。

遠藤義浩

遠藤義浩

フリーランスの編集者/ライター。 奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経て、主にWebクリエイティブやデジタルマーケティング分野の媒体の編集/執筆、オウンドメディアの企画/コンテンツ制作などに携わる。 Facebook : https://www.facebook.com/yoshihiro.endo

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