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Twitter採用の先駆者ジラフが考えるTwitter採用と情報発信のコツ

近年、求人情報サイトやサービスなど、様々なツールが登場し、求職者の特徴が、利用するツールによって、顕著に表れるようになりました。それに伴い、採用担当者も目的によって利用するツールを変え、適した人材を探す必要が出てきています。

買取価格の比較サイト「ヒカカク!」や、匿名質問サービス「Peing -質問箱-」など、リユース領域とコミュニケーション領域という2つの事業領域をメインに展開している株式会社ジラフは、今まで採用活動において注目していなかったSNS『Twitter』で採用活動を行い、結果、中途採用の大半をTwitter経由で採用しています。

今回は、Twitter採用の先駆者とも呼べる株式会社ジラフCEO 麻生輝明氏(@epneur)に『Twitterに関する採用と情報発信』についてお伺いしました。

 プロフィール

ジラフ

麻生 輝明氏

群馬県高崎市出身の26歳。一橋大学商学部在学中に株式会社ジラフを創業し、代表取締役へ就任。中学生の頃に10代の若者向けのコミュニティサイト立上げ経験があり、その頃から起業を視野に入れる。現在は、新規事業の準備や事業計画の作成、事業管理、事業戦略策定、新商品の開発、SEO、Q&Aサービス「ヒカカクQ」の立ち上げ、コンテンツマーケティング、採用企画、採用活動・面接・面談、組織改善といった幅広い業務を行なっている。

採用メディアとしての『Twitter』

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Twitter採用の具体的な流れは、どのような形で実施しているのでしょうか。

麻生氏:
基本的には、ダイレクトリクルーティングと同じように、興味を持った求職者に直接連絡をして、そこから選考を進める方法です。それ以外にも、求人媒体と似たような形で採用をおこなっている場合もあります。

僕自身、普段からよくTwitterを利用しているので、Twitter上でどういう人材がいるのか探したり、自社で欲しいと考えている職種のアカウントの人たちをチェックしています。そのうえで、社内で人材を必要とするポジションが出来たときに、更に深くTwitterでリサーチをして、こちら側からお声がけさせていただくケースが多いですね。その後、お茶やランチというようなフランクな場を設けて、そこから面接に移行します。あとは一般的な選考と同じです。

従来の採用手法と何が違うのかと言いますと、求職者の応募をどこから取ってくるのかということですね。一般的には、エージェントや採用媒体が求職者との接点を作るメディアだと思います。しかし、弊社ではそのメディアの部分をTwitterで代用しています。

なぜジラフはTwitter採用を実施するのか

Find Job!:
普段、企業が求職者と接点の機会を作るエージェントや求人サイトといったメディアを、貴社ではTwitterで代用しているということですね。そういったTwitter採用は、頻繁に実施されているのでしょうか。

麻生氏:
タイミングでいうと、弊社が採用したいポジションができた際に、お声がけをしています。特にエンジニア採用に関しては、1年前ほど前からかなり力を入れて、実施しています。合計で10名以上のエンジニアの方をTwitter経由で採用していますね。しかし、それ以上に日頃からたくさんのエンジニアの方々にお会いする機会を作っています。

ジラフ

また、未経験のエンジニアを採用するという企画をやらせていただいています。そのような企画は、Twitterとの親和性が高いので、随時おこなっていますね。

Find Job!:
そのようにTwitter経由でエンジニアを採用する際、オフラインでお会いする決め手となる部分は何でしょうか。個人がTwitterで発信している情報の信憑性は、必ずしも高いとは言えないですが、どうやって見極めていますか。

麻生氏:
Twitterだけでは良い意味でも悪い意味でも、情報の不足があると思っています。しかし、エンジニアの方に関しては、お会いする前にどのような人なのかある程度分かるケースが多いです。なぜなら、エンジニアの技術レベルは、自身のプロフィール欄に貼ってあるGitHub※のURLや、技術に関するツイートの内容で、その方がどのレベルにいるのかを、だいたい予想することが出来るからです。その方のGitHubの内容で、ある程度その人の採用可能性や技術レベルがクリアになっています。

※GitHub:ソフトウェア開発のプラットフォーム。利便性が高く、採用に関連すると、多くのエンジニアが自身のポートフォリオとして利用している。

Find Job!:
未経験のエンジニア採用をする企画というお話がありましたが、そのような企画は、Twitterだからこそ実施する意味があるのでしょうか。

麻生氏:
そうですね。企画として面白いものがある時、拡散されやすいような募集は、実施する意味があると考えています。

また、募集しようと考えている職種が事前にあるときは、ある程度前もって普段から意識してその職種の方たちと、Twitter上でやりとりしていますね。そうすると「いざ募集するぞ!」となった時に、その職種の方が拡散してくださり、求職者の方が見つかったことが実際にありました。自分自身ではリーチ出来ない範囲まで広げることができると言う点でも、企画は実施する言う意味がありますね。

Twitterを目的別に使い分ける

Find Job!:
募集しようとしている職種があった際に、その職種の方との接点を事前に作り、興味を持つようなツイートを、意図的に発信していると言うことでしょうか。

麻生氏:
そうですね。例えば未経験エンジニア採用の企画は、半年に1回の頻度で実施しているのですが、Twitter上で募集をかける前に、「未経験エンジニアの方は、〇〇なステージの方が多いですよね」といった内容をツイートすると、共感してくださる方がいるので、拡散していただけることがあります。

ただ、募集の種類や内容によっても反応は異なります。例えば、「Webエンジニアの方、弊社に来ませんか!」とツイートしても、そのような求人は世の中にたくさんあり、拡散されません。そのように企画としてインパクトの薄い求人は、弊社側から連絡を取っていくダイレクトリクルーティングに近いTwitter採用になります。

逆に拡散されやすい、いわゆる採用企画自体がコンテンツになるものに関しては、求人媒体と同様に、募集のツイートをして、そこに対して応募していただく形のTwitter採用を行っています。

Find Job!:
募集の種類や内容によって、Twitterを使い分けているのですね。後者のTwitter採用の企画は、麻生さんご自身で考えて、実施されているのでしょうか。また、なぜ確実に拡散され、応募を集めることができているのでしょうか。

麻生氏:
アイデア出しに関しては、各事業責任者や部長以上のメンバーで、「こういう採用のニーズがあるよね」という意見を交わすミーティングを行っています。その中から企画化する部分に関しては、僕の判断でやっていることが多いですね。ただ弊社にメリットがないものを実施してもしょうがないので、そこは話し合った上で実施しています。

ジラフ

弊社は、社員に対してSNSの制限を設けていないので、Twitterを経由して募集をすると、僕のツイートを見た社員が、拡散してくれます。Twitterは、長いものに巻かれろと言う流れがあり、拡散されているツイートって、更に拡散されやすくなるという特徴があると考えています。そう考えると、起爆装置が社内にあると言う見方もできますね。

ただ拡散と言うのは、自然発生的に起きていることですし、社員に強制している訳でもありません。場合によっては、「こう言う募集をはじめました」とURLを社内のチャットワーク※で共有し、拡散してもらううこともあります。ですが、「CEOの権限で強制的に拡散しろ」ということは一切無いですね(笑)。

※チャットワーク:業務の効率化と会社の成長を目的とした社内コミュニケーションツール。様々なデータの共有も容易にでき、多くの企業で導入されている。

『時給3,000円の学生インターン』は、経済合理性がある

ジラフ

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更に拡散と言う点に関して、貴社が実施した『時給3,000円の学生インターン生の募集』という企画は、たくさんの方に拡散されていましたが、どういった意図があり、このような企画を実施されたのでしょうか。

麻生氏:
時給3,000円というワードがまずキャッチーだなと考え、そこまで稼げる学生は相当優秀かつ自信がないと応募しないのではないかと考えました。優秀な学生の目に一旦は付くかなっていうところと、拡散され、多くの人に注目を浴びやすい内容は何か、と考えた結果です。

社会人にとって時給3,000円は、良くも悪くもそこまでの高給ではなく、能力のある方はそのくらい稼げます。しかし、学生はものすごく優秀で実力のある子でも、時給1,000円程度で働いるケースが多いです。なので、下手に社会人にサラリーを支払うより、学生にお支払いをした方が、かなり優秀な子が応募してくれるんじゃないか、という期待があり実施しました。

本来はこのような求人を募集する際、採用メディアなどを利用するので、コストがかかってしまうはずです。また、学生なので、社員のように長期で働いてくれる訳ではなく、決められた期間で働いてもらいます。そのような期限があることで、学生の方は「コミットしなきゃ」という気持ちを強く持つのではないかと考えています。

そう考えると経済合理性はあり、「こういうことをやっている会社なんだ」という、PRにもなっているので、会社の名前も広がるキッカケにもなります。中には「その金額でのコミットメントできるかは分かりませんが、興味あります!」という形でも、学生から応募をいただきました。

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自社に優秀な学生を呼び込むための母集団形成ができ、Twitterで募集をかけることで採用までのコストを削減しているのですね!

実際の業務は、どのような内容になっているのでしょうか。

麻生氏:
業務内容としては、僕の直下に社長室という部署があり、そこで新規事業の検討を進めたり、実際に準備を進めていただくというような、まだ形式化されていない業務に対して当たっていただくというポジションです。

本音を言うと、社会人を取りたいという気持ちは少なからずあります。しかし、そのポジションの採用は業務内容を考えると、容易ではないと思います。また、社会人の方は、良くも悪くも転職などを選択肢として覚えていますし、困難な状況に陥ったとき、踏ん張れるのかと考えると、逆に心変わりしてしまいやすい部分が社会人にはあるのかなと考えました。逆に学生の方なら、相対的に経済的インセンティブがかなり大きい条件になっているので、大変な業務やかなりハードルが高い業務であっても、折れずに取り組もうという意志がより強く芽生えると考えています。

Twitter採用は、日頃の情報発信が肝

ジラフ

Find Job!:
そのようなTwitter採用のための企画や、企業が自社をPRする施策を実施するには、日頃からある程度、Twitterで情報を発信する意味を見出したり、影響力をつけていったりしなければいけないのでしょうか。

麻生氏:
そうですね。多くは長続きしないというのと、発信する内容がそもそもないから、認知が広がらないっていうこともあるのかなってこともあると思います。弊社は「質問箱※」がTwitterだと認知度があるので、情報を発信することにポジティブな意味がありますね。Twitterで認知されているサービスを運営していることから、メッセージのやりとりの中で「その運営会社の人なのですね」という反応が返ってくることが多く、やりとりのハードルが低い状態でスタートすることができるので、アドバンテージがあります。

※Peing-質問箱-は、総会員数550万人を超える、匿名で質問をする&質問を受け取れるコミュニケーションサービス。

Twitter経由で採用したいと思っていたとして、「採用したいです、募集中です」とただひたすらツイートするだけでは意味がなく、応募も集まりません。テレビで24時間CMしかやっていない局があるとしたら、観たいと思いますか、思わないですよね。つまり、Twitterで採用するには「ツイートを追いかけたい面白いアカウントだ」って思ってもらう必要があるのです。なので、そう思ってもらうために、積極的に価値のある情報発信をしていく必要がありますね。

投稿は、広告のように魅せないことが大切

ジラフ

Find Job!:
確かにフォロワーも人間ですから、フォローすることで自身に何らかの付加価値が得られるのではないかと自然に考えていますよね。ちなみに、企業がTwitterで情報を発信していくとしたら、どのような形で始めた方がいいよと言うようなアドバイスはありますか。

麻生氏:
1つ言えるのは、企業の企画や投稿は、コンテンツと捉えられていないというところです。頻繁に企画や投稿はしているものの、流れて終わるというか目に止らないものが多いですね。

ではどうするべきか、それは「企画や投稿をいかに広告っぽく魅せず、コンテンツ化できるか」ということです。採用に関連して例えると、弊社は採用媒体としてWantedlyも利用しているのですが、「Wantedlyの募集をただシェアしてもらう」だけだと、広告っぽく見えてしまい、そのシェアからの応募はほとんどありません。他の企業が実施していて、同じような募集に見えるものというのは、限りなく土俵が狭く、戦いにくいと思っています。

なので、コンテンツ化して、付加価値を付け足していき、オリジナリティを高め、広告っぽく魅せないような投稿をするように心がけていますね。Twitterでも同様のことが言えます。

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そのように情報発信をされている貴社が、Twitterの活用が上手だなと感じたり、参考にしている企業や人物はいるのでしょうか。

麻生氏:
面接までのハードルを下げるのが上手いなと感じているのが、Skyland Venturesの木下さんですね。彼の場合は「起業相談を受け付けます」なので、採用とはまた系統が違いますが、Twitter上で「今から電話対応できるんで、LINE@を追加してください」とツイートし、その日のうちに10分程度電話し、いいなと思ったら、後日面接に呼ぶということを実施しているようです。

Twitterで募集をしてから、面接の日程を調整・設定したりする期間があると、どうしてもモチベーションの上げ下げや、お互いの時間が削られてしまいます。ですので、鉄は1番熱いうちに打てではないですが、やり方が斬新で上手だなと感じました。

まとめ:柔軟な発想と情報発信

一般的に採用活動におけるTwitterの立ち位置というのは、自社の会社説明会の様子やオウンドメディアの紹介といったPRの一部でした。また、Twitterは匿名でも利用可能であるといったことや誰とでも繋がれることで、情報の信憑性に問題があり、ダイレクトリクルーティングは難しいという認識がありました。

しかし、逆にその性質を利用し、他ではリーチできないような人材にまで広げることができ、採用メディアの1つと考え、ダイレクトリクルーティングやインターン生を募集するという発想は、とても斬新で思いも寄らない考え方でした。

採用マーケティングにおいて、そのような柔軟な発想や情報発信の工夫は、参考なるものばかりではないでしょうか。

株式会社ミクシィ・リクルートメント

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