Original

2つのポイントに注目。採用を成功へ導く「テックオリエンテッドな選考プロセス」とは?

エンジニア採用が激化している昨今。
せっかく候補者の選考が進んでも他企業との比較で流れてしまうことも増え、どうやって入社を決めてもらえばよいのか、お悩みの企業も多いのではないでしょうか。

今回は、プログラミング学習・試験プラットフォーム「track(トラック)」を展開している、株式会社ギブリーのプロジェクトマネジャー・近藤 翔氏(写真右)とエンジニアの川原 祐氏(写真左)に、実際に成果を上げている「テックオリエンテッドな選考プロセス」について詳しく伺います。

近藤 翔氏 プロフィール

アメリカで13年在住したのち、外資系貿易会社でビジネスアナリストへ。
東日本大震災をきっかけに航空自衛隊で衛生員を勤め、その後ITベンチャーでエンジニアに。
現在は新規プロダクトのプロダクトマネージャーを担当している。

川原 祐氏 プロフィール

人材紹介営業担当から、エンジニアに転身しSIerを経て、さらなる成長機会を求めギブリーへ入社。フロントエンドを中心にしたフルスタックエンジニアとして新規プロダクトの立ち上げに関わっている。

エンジニアが入社を決めた理由

Find Job! :
最初にギブリーの会社規模と直近のエンジニア採用人数を教えてください。

近藤氏:
2019年4月現在、社員約70名のうち約10名がエンジニアで、2018年下期から現在まで入社された方が3名になります。

Find Job! :
エンジニア採用はどんな手段をメインに展開されていますか?

近藤氏:
基本的には媒体経由で採用活動を行っています。「Wantedly」「Justa」この2つをメインに常時募集を出していて、そのメッセージとしてはギブリーのビジョンや事業、アジャイル開発の背景をアウトプットしています。

Find Job! :
会社規模に対して直近のエンジニアの採用人数は高倍率のように見えますが、採用の方針など、最近変更した点はありますか。

近藤氏:
2018年の下期に新たなプロジェクトを立ち上げるにあたりスクラム方式(※1)からXP方式(※2)へとチームの運用方式を変更するために、エンジニア採用の要件を変更しました。

XP方式を導入するにあたり、一緒に働きたいエンジニア像としては、これまでの「与えられたミッションを技術でどんどん解決してくタイプ」よりも「ユーザー視点で全体を俯瞰して解決手段の提案から実行できるタイプ」を求めていたんです。

その新しい方針を経営陣にまずは相談してすぐにOKをいただき、募集媒体に掲載するメッセージは、僕自身の思いも込めて要件から書かせてもらいました。

※1. スクラム方式:バックログによるタスク管理やスプリント(反復期間)の計画をベースとしたフレームワーク。メンバーの役割はプロダクトオーナー、スクラムマスターなど固定される。
※2. XP方式:協同開発の思想をベースに「計画ゲーム」と呼ばれる技術的な見積もりやペアプログラミングで開発を進める。メンバーの役割は固定されず、状況に応じて担当が変わる。


Find Job! :
では、川原さんは媒体のいずれかを見て入社を決められたんですか?

川原氏:
それが実は...Twitterがきっかけなんです。もちろんギブリーの採用情報が掲載されている媒体も見ましたが、もともと転職を決めたときにGitHubに経歴を全て公開して、要件とハッシュタグ「#Twitter転職」をつけて呟いたところ、最初に声をかけてくれたのがギブリーだったんです

Find Job! :
ギブリーから川原さんへ声をかけたのは、どういった理由からでしょうか。

近藤氏:
彼は開発経験だけでなく業界経験もあったんです。スキルを実際に見てみたいけど、人材紹介事業での経験があった上、Twitter・GitHub上で転職活動してしまう高い行動力に可能性を感じて、会社として声をかけました。

Find Job! :
川原さんは、なぜギブリーに入社を決意されたんですか?

川原氏:
成長できると確信できる3つの決め手があったからです。

1つ目は環境への投資。例えば、コミュニケーションにしても全社的にSlackを使っていたり、開発にGitHubを導入しているところなどです。合理的に投資して、効率的かつ成果を出しやすい環境を整えているところに共感しました。

2つ目はカルチャーフィット。特に人の面が大きく、共感できるビジョンを掲げる人・尊敬できる人の下、居心地よく働けるか?
こういった部分が「テックオリエンテッドな選考プロセス」を通じて魅力的に見えてきました。

3つ目は、挑戦できる環境。もともと僕がこれまでやってきた言語をやりつつ、新たな分野にも挑戦んしてみたい気持ちがありました。
入社後は新たなプロダクト開発でフロントエンドのテックリードを任せてもらえることが決まっていましたし、既存のプロダクトでバックエンドにScala、フロントエンドではReact.js + TypeScript、他にもRustやGoなどを使っている点から、技術のアップデートに対して積極的な印象をうけました。これらのことから、自分のスキルを伸ばしつつ新しいスキルを身につけられる環境があることに、安心感があったんです。

負担も少ないフラットなスキルチェック

Find Job! :
テックオリエンテッドな選考プロセス」とはどんなフローでしょうか。

近藤氏:
まず、うちの選考ステップは以下の4つになります。


1stSTEPはカジュアル面談。2ndSTEPはスキルチェック、3rdSTEPがペアプログラミングで、ラストがCTO面接

「スキルチェック」「ペアプログラミング」の2つをフローに取り入れることで、環境的に選考を受ける候補者にもやさしいことから「テックオリエンテッドな選考プロセス」と謳っています

Find Job! :
スキルチェックを選考プロセスに入れることは、他企業でも一般的ですか?

近藤氏:
自社でテストを作ってアップデートしていくやりかたや、候補者のGitHubを見て判断している企業が多いです。

川原氏:
海外では「ホワイトボードコーディング」といって、アルゴリズムなど出題されてその解を面接会場でホワイトボードに書いていくテストがあります。
実は、国内の大手IT企業も実施していますが、テストにある程度の時間と工数がかかるため、工数が非常にかかります。僕も一度転職活動でホワイトボード面接を受けたことがあるのですが、面接の担当者によって判断が違いますし、ふだんの仕事環境とは異なる緊張した状態で行うため、実力を出しづらいテストに感じました。

Find Job! :
ではギブリーではどのようにスキルチェックを行っているんでしょう。

近藤氏:
弊社が開発している「track」を使って、現場のエンジニアがピックアップした3つの課題を約2時間半かけてテストしてもらいます。trackを使うメリットはいくつかあります。

まず、好きな時間・場所で落ち着いてテストできるので、総合的なコストが大幅に削減できます。エンジニアによっては視線を感じながら面接会場で書くよりも自宅で緊張感なく書くほうが本来の力を発揮できるというケースもありました。
それから通期で実施すれば、候補者同士の比較も定量的に行えるので、属人的な判断を防ぐことができます。

何よりも、このプロセスをとる1番の理由は、あいまいな技術力、あいまいな配属先、あいまいなキャリアになってしまうことで、みんなが不幸に陥ることを回避できるんです
企業も候補者もせっかくコストをかけたのに...という話はよくあることですが、このテストを導入することで、ミスマッチを大きく削減できるようになったと感じています。

互いを理解するためのペアプログラミング

Find Job! :
3つ目のプロセスにある「ペアプログラミング」はどういった内容でしょうか?

近藤氏:
現場でも導入している開発スタイルなんですが、1時間くらいかけて、候補者と現場エンジニアの2人1組でレビューと開発を行います。

そこでは要望とか意見とか指摘とか、実際の現場のように行います。こういったチーム内のコミュニケーションを選考の段階で確認できることは非常に大きなメリットなんです。
これって、仕事で一番大切なことなんですけど、選考段階だとなかなかできないことなので。実施すると、互いの思考回路が明確に見えてきました。

Find Job! :
川原さんは、実際にテストを受けてみていかがでしたか?

川原氏:
候補者としては、言葉にするのが難しい自分の得意なところも弱いところも伝わるし、企業目線で考えると、具体的な現場での活躍のイメージが想起しやすくて効率的な手法だと感じました。


Find Job! :
求めているエンジニア像によらず、ペアプログラミングはエンジニアの選考に適していますか?

川原氏:
適しているはずです。ペアプログラミングを通じて、今後どうやってチームで自分が機能するか想像できることで、心理的な安全性の向上に繋がります。ただ、全ての人に行うにはコストがかかるので、最終フェーズに近いところでの実施が効果的のように思います。

近藤氏:
ペアプログラミングを導入することで、いかにエンジニアに寄り添った文化のある会社かをアピールすることもできるはずなので、企業ブランディングとしても導入メリットは大きいんじゃないでしょうか。

ベンチャー企業が強化すべきポイントは?

Find Job! :
今後ベンチャー企業は、選考においてどんなポイントを強化すべきでしょう?

川原氏:
ギブリーの選考を経て実感したこととしては、選考時から入社後に候補者が何のためにどんなチームでどんな技術を使ってプロダクトを開発するかを具体的に伝えることが、一番の安心につながるのではないでしょうか。

近藤氏:
おそらくアウトプットすることは、ビジョンだけでも事業だけでも技術だけでもNGで、3つそれぞれが具体的にアウトプットされた状態でエンジニアと向き合う選考こそ、ハッピーな結果をもたらすのかもしれません。


Find Job! :
最後に、ギブリーとして今後挑戦したい採用の目標を教えてください。

近藤氏:
今のスキルチェックやペアプログラミングで成果が出てきているのも実感しているので、このスタイルがベストではあります。
ただ、これもあくまで冒険のひとつでしかないので、少しずつ改善はしていきたいですね。あとは採用する人のタイプをもっと多様にしていくことも、今後は視野にいれています。

川原氏:
そうですね。エンジニアの多様性を重視して、求めるスキルを定量化できる状態が企業として望ましいと感じています。僕たちの「track」も上手に活用しながら、さらなるベストな選考プロセスをチームで模索していきたいです。

白方はるか

白方はるか

Web制作会社のプランナー、編集会社の編集、IT企業のEC事業部でPRディレクターを経てインタビューとイベントレポート中心のフリーランスに。清澄白河在住。 https://twitter.com/tyore

中途入社予定者フォローの必要性と3つの例

2019-08-19 18:16

内定後から入社までの期間をどのように過ごすかで、その人の入社に対する熱量は大きく変化します。実際に、多くの企業は新卒の内定者に対し、懇親会や内定式といった様々なイベントを企画されています。 しかし、内定をもらった中途入社の方に対し、そのような機会を設けることはあまりありません。そこで今回は、中途入社予定者に対する入社までのフォローの必要性と具体例を紹介します。

『エバンジェリスト』とは

2019-08-16 10:26

エバンジェリストとは、IT業界においてテクニカルエバンジェリストとも呼ばれ、テクノロジーの情報や自社サービスのことを、社内外に分かりやすく説明する、エンジニアとマーケターを合わせたような職種です。もともとエバンジェリストとは、キリスト教における福音主義(evangelicalism)からきており、福音(良い音信)を伝える人を指します。

『アルムナイ』とは

2019-08-08 09:30

アルムナイとは卒業生や同級生を意味する英単語「alumnus」の複数形「alumni」が語源になっています。ビジネス界においては、企業から卒業した人、つまり退職者のことを指します。 海外では主流の考え方の1つで、ハーバード大学、オックスフォード大学などはアルムナイに向けて、イベントを企画したり、アルムナイしか買うことのできないグッズを制作したりしています。 外資系コンサルティング会社アクセンチュアでは、アルムナイに対する様々な制度を設けています。具体的にはインターネット上にクローズドのコミュニティを作り、そこで情報共有を行ったり、スキル・人脈をシェアしたりすることができます。所謂オンラインサロンのような役割を担っているのです。

採用に役立つ!? 企業が副業を導入するメリットと注意するべきポイント

2019-08-06 10:32

2018年から政府の方針として、『副業』が解禁されるようになりました。 リクルートキャリアの調査によると、副業や兼業を容認している企業は、まだ約3割と少ないですが、これからより副業が推進されていくことが予想されます。 現在副業をする側に焦点がいきがちですが、企業としても副業を導入しなければならない体制を整えなければいけません。 では、副業をする上でどのようなメリットがあるのでしょうか。 今回は企業が副業を導入するメリットと注意するべきことを採用と照らし合わせながら、紹介します。

『リアルタイムフィードバック』とは

2019-08-01 10:51

リアルタイムフィードバックとは、一般的に四半期や半年に1回実施する人事評価を、1週間や2週間に1回という高い頻度で行う評価制度のことです。 従来のフィードバック面談と異なるのは、『リアルタイム』という点です。フィードバックする頻度を高めることで、より的確な評価を出すことができたり、上長とのコミュニケーションを増やしたりすることができます


人気記事ランキング

© Basic Inc. All Rights Reserved.