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「成長できる会社は面白い」マネーフォワードの働きたくなる会社創りとは

社内ブログやSNSを活用した採用やインターン採用、リファラル採用など、採用にも様々な手段があります。どのような方法にせよ、人材を獲得し入社後に活躍してもらうためには、採用候補者や社員に「この会社で働きたい」と思ってもらう環境作りが必要です。

今回は、株式会社マネーフォワードの代表取締役社長CEO 辻 庸介 氏、社長室長兼人事部長 服部 穂住 氏に、「働きたくなる会社創り」について話を伺いました。

プロフィール

マネーフォワード

辻 庸介 氏/ 株式会社マネーフォワード 代表取締役社長CEO 

2001年 京都大学卒業、2011年ペンシルバニア大学ウォートン校MBA修了。ソニー株式会社、マネックス証券株式会社を経て、2012年株式会社マネーフォワード設立。個人向けの自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」、ビジネス向けのクラウドサービス「MFクラウドシリーズ」などを提供2017年9月に東京証券取引所マザーズ市場に上場。

服部 穂住 氏/ 株式会社マネーフォワード 社長室長兼人事部長 

2005年にリクルートHRマーケティング(現リクルートジョブズ)入社。求人広告営業からキャリアを開始。2012年にグリーに人事未経験で転職。評価・育成・福利厚生・社内活性化の責任者を務め、2015年にマネーフォワード入社。人事評価制度の構築から初の新卒採用まで各種人事業務を担当する。


採用は会社とユーザーの相互理解

マネーフォワード

ferret:
マネーフォワードが今、力を入れている採用施策について教えてください。

服部 氏:
採用は候補者含め、会社に関わる「ユーザー」に会社を知ってもらい、会社がユーザーを知ること。つまり「相互理解」だと考えています。我々としては、その相互理解を深めるために「採用広報」に力を入れています。ほかにも、リアルイベントだったり、経営者や現在働いているメンバーが考えていることを知ってもらうための採用会食だったり、色々取り組んでいます。

人事としては、とにかくやるべきことはすべてやる姿勢が必要だと思っているので、様々なチャレンジを繰り返しています。最近だとリファラル採用がどんどん増えています。

リファラル採用はどうやって増やす?

ferret:
リファラル採用を強化している企業は多いですよね。リファラル採用のメリットはどこにあるのでしょうか。

辻 氏:
やはり採用後がいいですね。社員の知り合いが入ってくれるからカルチャーが合うことが多いんですよ。それは社員のポジションを問わず感じています。

服部 氏:
人材が転職マーケットに出る前にリーチできるというメリットもありますよね。会社にフィットする人材が転職マーケットに出る前に声をかけて採用できるのはメリットだと思います。

ferret:
リファラル採用を増やすために、工夫していることはありますか?

服部 氏:
紹介してくれた社員に対してインセンティブを出しているというのもありますが、辻の発信も大きいと思います。全社に対して、「採用が重要だから社員を紹介して欲しい」というのを定期的に伝えているんです。

あとは日頃から人材をリストアップしています。一緒に働きたい人を経営メンバーで共有してお声がけするようにはしていますね。

辻 氏:
インセンティブはきっかけにはなるけど、それだけでは増えていかないですからね。

服部 氏:
毎週のように役員陣にも採用の重要性を伝えるよう心掛けています。そのくらい今は採用活動に力を入れているので、それは伝わっていると思います。


 「入社時期による価値観の違い」をどうするか

マネーフォワード

ferret:
会社が成長し規模がどんどん大きくなっていくと、社員の大量採用が必要になります。マネーフォワードさんは大量採用の際、どのような点に苦労しましたか?

服部 氏:
大量採用については、実は今も苦労しています(笑)
今でも毎月10人以上の入社が続いているので。

課題としては、顔と名前が一致しない、経営者の声が届かない、当事者意識や一体感の希薄化、マネジメント人材の不足など、様々なことが挙げられます。

その中でも特に、入社時期による価値観の違いは大きいと思いますね。例えば、従業員が10人の会社に飛び込む人と、数百人の会社に飛び込む人のマインドは絶対に違ってくるじゃないですか。ですので、入社時期によってマインドの違いは絶対に出てきてしまいます。

ferret:
それに対してはどのような対策をとっているのでしょうか。

辻 氏:
まずは社員の声を定期的に聞くようにしています。ただ声を聞いても企業として実現できること、できないことがあります。だから話を聞いた上で、会社としてできることを発信しています。「聞く、発信する」の繰り返しです。

あとは「ミッション・ビジョン・バリュー」の共有には注力しています。

服部 氏:
人が認識できる組織の範囲は150人ぐらいとも言われています。自社でもまさにそれを感じる時期がありました。その位の時期から、会社の「ミッション・ビジョン・バリュー」を改めて言語化して共有していく仕組みを作ったんです。そこで一本筋が通ったような気はしています。

辻 氏:
会社の規模が変わっても、「ミッション・ビジョン・バリュー」それから会社が大切にする「カルチャー」は変わりません。ビジネス環境や会社の規模などはどんどん変わっていくけれども、これは変わらない。だからこそ、社内のすべてのメンバーに「ミッション・ビジョン・バリュー」を共通認識として浸透させることはとても大切だと考えています。


社員が「成長できる会社」をつくる

マネーフォワード

ferret:
マネーフォワードさんの掲げている「働きたくなる会社を創り」について教えてください。「働きたくなる会社」とはどのような会社なのでしょうか。

辻 氏:
「成長できる会社」をベースに考えています。
やりがい、チャレンジできる環境はどんどん作っていかないといけない。ベンチャーには裁量権を求める声も多いので、その環境を作ることも企業としての役割だと思っています。

僕も、ベテランの経営者の方々と比較したらまだまだ成長しないといけない。自分も含め、みんなが成長できるような組織を作っていけるといいなと考えています。

これは服部の名言なのですが、「お金で来る人はお金で去る」ということもあると思います。もちろん「働きたい」と思ってもらう上で、「待遇がいい」ということも重要です。それでもモチベーションがお金だけだと、お金が理由でまた転職してしまいます。

マネーフォワードにいることで「成長できる」と感じてもらえるような環境づくりや事業・サービスを継続して、ここで働く意味を僕たちが作っていくことが大切だと思っています。

福利厚生や働き方について

ferret:
社員にとっては働き方や福利厚生、オフィスなども「働きたい会社」かどうかに影響してくるのではないかと思います。これらの部分で力を入れていることがあれば教えてください。

服部 氏:
労働環境に関しては、エンジニア・デザイナーは裁量労働、その他の正社員に関してはフレックスを導入して、「働く時間」の融通が利くようにしています。

ほかには、社内での月に2回のハッピーアワー、部署を越えて交流できるシャッフルディナーやシャッフルランチ、家族を招待するファミリーデーなど、コミュニケーションをとれる場を多く設けています。新しい人がどんどん増えていくので、顔と名前が一致しないことを解決することや、ご家族にも会社のことを知ってもらう目的で実施しています。

あと、当社はサービスが多岐にわたり、グループ会社もいくつかあるので、300人規模の会社としては色々なポジション、事業を展開しています。そこで自分で手を挙げてボジションの異動ができるように、半年に一回社内公募の制度を設けています。それも、色々なことにチャレンジしやすいという意味で、働きたくなる制度の一環だと思っています。

辻 氏:
オフィスに関しては「海外に行きたい」という人がいたのでベトナムに開発拠点作ったり、「福岡に帰りたい」というエンジニアが居たので福岡オフィス作ったり……。もちろん拠点を実際に設立するタイミングでは、その拠点でどんな業務をするのか、どれ位の規模を目指すのかなど、色々なことをきちんと議論した上で決めていますが、きっかけは社内のメンバーの一言だったりします

服部 氏:
そこでまた新たな採用に繋がることもありますね。

辻 氏:
やっぱり会社って人がすべてだと思うんです。クラウドの時代だから仕事はどこでもできますし。それぞれの拠点のメンバーはマネーフォワードのカルチャーをしっかり理解しているメンバーなので、仕事もブレないです。こちらも心配することなく、仕事を任せています。

服部 氏:
部署異動の話もそうですけど、本人の意思、パッションの部分を尊重して働ける環境を作れるよう心掛けています


会社は「人」がすべて

マネーフォワード

ferret:
代表である辻さんはどのように採用に関わっているのでしょうか。

辻 氏:
繰り返しになりますが、会社は「人」がすべてだと思うんです。だから私も、採用にはとても力を入れています。人事部との定例MTGも週に1回必ずやっています。

あとは入社後のパフォーマンスも大事なので、活躍支援といいますか、社内を歩き回って新しく入社したメンバーに声をかけるようにしています。顔色や表情を見て、元気がないメンバーがいたら周りのチームメンバーにフォローしてもらったり。

服部 氏:
辻は採用に常に関わっています。自ら口説きにいくこともありますし、社員の面接もやりますし、採用に関わる発信も社内に積極的にしています。時には当社への入社を迷っている方に電話もしてみたり。

辻 氏:
私が電話かける時は状況が厳しい時が多いですけどね(笑)

「絶対にうちがいい」と思えるから自信を持って口説ける

ferret:
社長自ら電話をかけてもダメな場合って、どのような理由が多いのでしょうか。

辻 氏:
会社のステージやフェーズなど、候補者が求めているものと当社が提供できることがマッチしていない場合が多いですね。そこに関してはどうしようもないので諦めます。

ただすごく優秀な方でも人事から「この方はマネーフォワードに合わないと思う」「彼にとっても〇〇社に入社された方が幸せなんじゃないか」という話をされることも結構あります。僕としては来て欲しいんだけどなって時もありますが……。

ただ、そういう視点って素敵ですよね。

服部 氏:
候補者の方1人ひとりと向き合って、絶対にうちがいいって思えるから口説きにいけるというのもありますからね。「絶対にうちに来て欲しい」と言えるかどうか。そういう思いで採用はしていますね。


採用広報は社内広報の役割も担っている

ferret:
会社の考えやビジョンは、どのようにして社内外に届けているのでしょうか。

辻 氏:
社内に関しては、週次や月次の朝会、半期の総会やCEOランチなど、とにかく伝える機会を多く持つようにしています。日頃から思っていることを声に出したり、チャットで送ったりするようにしていますね。

ferret:
社外に関してはいかがですか?

辻 氏:
決算のタイミングや日々の取材などを通じて、事業や目指す方向性についてお話しするようにしています。

人に何かを伝えたいと思ったら、とにかくたくさん発信する必要があると思うんです。同じことを100回言って、ようやく理解されると思った方がいい。1回で伝わることなんてほぼないと思います。質も量も高めていって、初めて伝えたい事が伝わると思います。

服部 氏:
人事としては採用広報で社内外に発信しています。じつは採用広報には、社内広報の役割もあります。例えば「Wantedly」に記事を書いたら、必ず社内で共有するのですが、どれだけ社員に記事がシェアされるかをKPIにしていたこともあります。

採用活動に関わることは、社内を理解することに繋がります。採用に関わってもらうことが、会社を知ってもらう近道なんです。

社員から「初めて自分の会社を紹介したいと思った」って言ってもらった時は嬉しかったですね。


まとめ:社員が紹介したくなるような会社創りを

今回は、「働きたくなる会社の創り方」について話を伺いました。

マネーフォワードでは、週次や月次の朝会や社員への声がけ、社内外に向けた採用広報など、自社への理解を深める様々な活動を実施しています。それが結果として、社員の理解を得て、「この会社でもっと働きたい」「この会社なら成長できる」という気持ち創りに繋がっています。

採用においても、力を発揮できる環境作りにおいても、社員の声を聞いて、発信を繰り返す。そして、候補者にも社員にも、会社についての理解を深めてもらうことが重要だと言えるでしょう。

岩﨑美樹

岩﨑美樹

テクノロジーやWebサービスを紹介するメディアにて執筆を経験。2018年株式会社ベーシックに入社。「誰にでもわかるWebマーケティング」をテーマに記事を執筆しています。

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