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採用のためだけに完結しない!スペースマーケットに聞く、自社の情報を発信し続けることがなぜ重要なのか

人材不足による売り手市場により、「募集をしても応募が集まらない」「良い人材が獲得できない」など、採用活動を行うにあたって様々な課題がありますが、それだけではなく「採用後の課題」も多くあるでしょう。

今回は採用後の課題で多い「自社カルチャーのミスマッチ」について、ミスマッチを防ぎ、自社のカルチャーにフィットしてくれる人材が獲得できる採用マーケティングを展開し、社員に長く活躍してもらうための環境づくりを積極的に行なっている、株式会社スペースマーケット 取締役CTO 鈴木 真一郎 氏、取締役CFO兼人事責任者 佐々木 正将 氏に伺いました。


プロフィール

スペースマーケット

 株式会社スペースマーケット

2014年1月設立。空きスペースの貸し借りができるWebプラットフォーム、スペースマーケットを運営。その他、民泊事業やプロモーション支援事業も行なっている。

鈴木 真一郎 氏(写真左)

SIerにて決済システム立ち上げ後、2005年ヤフー株式会社入社。エンジニアとしてサッカーW杯、夏季冬季五輪などメガイベントの開発・運用、ネタりか等の新規事業立ち上げに従事。社長賞受賞。2010年リクルートで複数のサービス立ち上げに参画後、2011年ソーシャルアプリ事業でのスタートアップ起業を経て、2014年1月、株式会社スペースマーケットを共同創業。

佐々木 正将 氏(写真右)

取締役CFO兼人事責任者。20代で上場不動産会社の経営管理全般をほぼ一人で担当し、その後、ライフスタイル提案企業にてIPO前後の現場責任者として従事。2014年からアーリーステージのITベンチャー企業にて取締役として資金調達の実施、人事など経営全般に携わる。2017年1月、株式会社スペースマーケットに参画。

引用:株式会社スペースマーケット


社員による外部への情報発信をしっかり評価

スペースマーケット

インタビュアー:
スペースマーケットさんが従来行なっていた採用方法と、現在行なっている採用マーケティングの違いをお聞かせください。

佐々木 氏:
従来は、自社の採用CVR(通過率)から逆算して必要な母集団の数を決め、採用するという方法をとっていました。現在行なっている採用マーケティングは、私たちが大事にするところである*ビジョンやミッションなどをWebやSNSで発信することで通過率を上げる方法*をとっています。

極論を言えば、1人採用したい時であれば1人応募がくればいいという意識です。

インタビュアー:
実施している採用マーケティングの具体的な事例を教えてください。

鈴木 氏:
社内環境や待遇も含めて、「こういうカルチャーで働いています」ということを、メンバーに開発ブログで発信してもらっています。これは、新しいメンバーが当社に長く在籍してもらうことを重視しているため行なっている施策です。

弊社自らがアウトプットしていかないと、私たちのカルチャーにフィットしてくれるような人に届かないということもありますので。

佐々木 氏:
応募者をたくさん集めるとなると、会社のキャッチーな部分を前面に打ち出すことになりますが、現在はフィット感の方が大事だと思っています。ですので、私たちが大事にしているところを発信していこうと意識しています。

鈴木 氏:
応募される方が、弊社メンバーが書いたブログを読んでもらっていると理解が深まり、採用率アップにつながるため、アウトプットも社内の評価に組み込んでいます。

毎週各自で資料を作って小さな勉強会を行っているのですが、かなり精度の高い資料が出来上がってくるんですよ。このまま勉強会だけでしか読まれないのももったいないので、そういう資料をどんどんアウトプットしていこうと思いまして。

資料をあらかじめクローズドのブログに書いて社内の勉強会で発表。その後に一般公開するというような流れが、現在では当たり前になっています。

インタビュアー:
人事が主導というよりは、社内のみんながブログに携われる仕組みを作ったということですか?

鈴木 氏:
そうですね。セルフブランディングに使っても良いですし、会社の採用力にもつながり相互に高め合うこともできます。最近では、「ブログ記事を見て、面接を受けたくなった」という方も来てくれています。そうすると、ブログを書いた人は有名になりますし、会社としても人が来てくれて嬉しい、というWin-Winな関係を作ることができますよね。

佐々木 氏:
当社の行動指針に「自分より優秀な人財を採用し、共に成長し、最高のチームを作ろう」とありますので、全社員に対して自分より優秀だと思う方を惹き付けることをお願いしています。


チャレンジを推奨、評価する事でストレスのない環境を作る

スペースマーケット

インタビュアー:
このような仕組みを作ったきっかけをお聞かせください。

佐々木 氏:
社員が自分のSNSに投稿する文化は最初からありました。これは当社を創業した代表取締役CEO の重松自身が、PRが得意であるということも影響していると思っています。全社員が広告塔になっているんですよね。そのスタート地点は他の企業と大きく違うと感じています。

鈴木 氏:
以前、エージェントさんにお金を払ってすごくキャリアのあるエンジニアさんを業務委託で採用したことがあるんですが、会社にフィットしてもらうのが難しかった事がありました。

この失敗経験で、会社のカルチャーを発信しフィットする人に届かないとうまくいかないということが身に染みました。

インタビュアー:
実際、質の高い採用ができたり、離職率が下がったり、というデータはありますか?

鈴木 氏:
エンジニア、デザイナーだと、ここ数年の定着率は100%ですね。

佐々木 氏:
全社でも、正社員だと年間1、2人。定着率はかなり高いです。

インタビュアー:
やはり入社の際にカルチャーを理解しているからなのでしょうか?

佐々木 氏:
入社する前の見極めという点で言うと、選考ステップが結構長いんです。たくさんの社員に会ってもらい、会社の様子を掴んでもらいます。これは応募者からするとすごくイメージが湧きやすく、選考を通ってからもギャップが少なくなると感じています。

インタビュアー:
入社してからも働きやすい環境に気を使っていますか?

鈴木 氏:
はい。そこはすごく気を使っています。エンジニア、デザイナーにとっての嫌なことは、自分の作ったものが無駄になることや、理不尽な仕様変更がたくさんあることです。

そこで、エンジニア自身がプロダクトを作る企画職のキャリアを作りました。それからは、エンジニアのストレスにならない開発が実現できて結果に繋がっています。

メンバーがやりたいと言ったことに対しては、極力実現できるように社内調整を行いますね。仕事に飽きる、燃え尽きるというようなことがないようなマネージメントは大切です。

インタビュアー:
チャレンジを推奨するのは、ご自身の経験からでしょうか?

鈴木 氏:
そうですね。大企業にいると、セクションごとにやることがあってなかなか領域外の事ができません。しかし、当社ではチャレンジをどんどん推奨していますし、評価もしています。

インタビュアー:
そのほか、メンバーに長く働いてもらうための工夫はありますか?

鈴木 氏:
「週1のリモート制度」が、低い離職率に影響しているのかなと思っています。リモートで仕事ができる日を設けることで、精神的なゆとりが生まれたり、集中してデザインができたりという声がメンバーから挙がっていますね。

インタビュアー:
職種間でのコミュニケーションの機会を設けているんですか?

佐々木 氏:
エンジニア、デザイナー、そしてビジネス部門の人が、1つのユニットとしてコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めることがあるんです。それ以外でも、社内の雰囲気を見ていて、停滞しそうな空気になったら全体での交流会を開くこともあります。

鈴木 氏:
合宿も3ヶ月に1回継続して行なっています。合宿には自分たちで提供しているサービスを実際に使ってみるという側面もありますね。

そこでコミュニケーションを取りながら、集中して開発をする。そして、それをまたブログなどで発信していく、という流れです。


自社の強みと魅力を整理して、積極的なアウトプットを

スペースマーケット

インタビュアー:
採用があまりうまく行っていないと感じている企業へ向けて、採用マーケティングの手法など、アドバイスがあれば聞かせてください。

佐々木 氏:
私の場合は2つあります。1つは、自社の強みや魅力を整理すること。私たちの場合だとPR力が強みになります。色々な会社で働きましたけど、他の会社の真似事で採用活動をする会社が多いと感じています。やっぱり自社ならではというポイントを整理することが大切です。

もう1つは、本当に正社員としての雇用でなければいけない業務を整理することです。今は色々な働き方があると思いますので、必ずしも正社員で働く必要がありません。一緒に責任を持ってやって欲しい役割の整理は必要だと思いますね。

鈴木 氏:
私は、トップの人が発信していかないと何も始まらないと考えています。いくら発信しても反応がない時もあると思うんですが、折れずに続けていく事が大事です。そういう姿勢がメンバーに伝わっていったりしますからね。正直、内容のクオリティにはそれほどこだわらなくても良いのではないかと思います。

先日エンジニアのイベントをやったんですけど、懇親会で出した寿司のネタだけ食べられていた!という記事が意外とウケたんですよ(笑)。何が起こるかわからないというのは面白いですし、お金をかけずにできる事です。今すぐにでも実施できると思います。

インタビュアー:
これから必要だと感じている採用方法や人事の機能はありますか?

佐々木 氏:
多様な志向性や得意不得意などに応える仕組みを用意していこうということで、メンバーの働き方については常に改善を図っています。エンジニア、デザイナーについては、最善の働き方を調べ始めていますし、ビジネス部門では業務特化型の新しいキャリアコースを作る予定です。

鈴木 氏:
チームとして、性別、国籍も含めた多様化を進めて行きたいと考えています。特に、女性のエンジニアを増やしていくためにはなにができるかというのが現状の課題です。母数が少ないこともあり、なかなか難しいですが……。週に1回のリモート制度も含めて、ダイバーシティーを実現するためになにが必要か考えていきたいですね。


まとめ:情報を発信「し続ける」ことは「人材獲得」と「定着率」に繋がる

自社の情報を積極的に社員全員が発信し続けることが、純粋に採用のためだけではなく、社員自身のモチベーションにもなっているという仕組みを作ることは、簡単にできることはではないでしょう。

社内の情報を発信し続けることにより、自社への理解度の高い応募者を獲得でき、入社後のカルチャーミスマッチをなくし、定着率を上げられる。そしてそれにより社内の仕組みや環境も常に改善していき、社員に還元されるというとても良いサイクルが生まれます。

今後自社の情報発信を行くことを検討するようでしたら、まず、「自社の強み・魅力とは?」を社員全員で考えてみても良いかもしれません。

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