採用担当者が知っておくべき採用手法の種類とメリット・デメリット

現在日本では、生産年齢人口の減少や終身雇用・年功序列制度の減少によって、必要な人材を確保することが、企業にとっての重要課題となっています。こういっためまぐるしい変化の中で、採用担当は自社に適した採用方法を選択し、優秀な人材を確保しなければなりません。

そこで今回は、多様化する採用方法の種類とそのメリット・デメリットをまとめて紹介します。 

                 

現在の採用市場の状況

採用方法を考える上で必要なことは、経済と同じように採用にも市場があることを認識することです。採用方法にも流行があり、変化し続けています。

まずは、現在の採用市場について簡単に紹介します。

多様化する採用方法

インターネットやSNSの発達により、新聞や紙媒体の求人広告は衰退し、新たに様々な採用方法が生まれてきました。特に近年では、SNSを使った求人サービスや企業から就活生・転職を考えている人にアプローチをかけるといったことが大手企業でもおこなわれています。

また大手IT企業では、採用の一部をAIに任せたりと「いかに効率よく自社に必要な人材を集められるか」を考え、採用をおこなっています。

このように現在では、採用方法が多様化し、企業によって様々な特徴があります。

「待ち」から「攻め」の採用に

上記にも述べたように、採用の手法はどんどん多様化・効率化されています。特に現在は有効求人倍率が1.63倍(2018年8月現在)と、企業が内定を出しても就職希望者が辞退してしまう可能性があるほど、多くの企業(特に中小やベンチャー企業)が人材を欲しがっています。

そのような流れの中で生まれたのが「待ち」から「攻め」の採用です。企業が自ら就職希望者にアプローチをし、採用をおこなっていくという流れです。こうした流れは、少なくとも2020年まで採用市場では続くと予想されています。

参考:
一般職業紹介状況(平成30年8月分)について

2021年秋から採用は大きく変化

2018年10月の経団連の会議において、2021年度以降に入社する学生を対象に採用選考に関する指針を策定しないことが決まりました。その後、経団連と政府は2021年春卒業の学生には従来のルールを適応し、それ以降については改めて議論することが決定しています。

もしかしたらこのルールにより、採用は大きく変化するかもしれません。また東京五輪後の経済は、過去多くの開催国がそうであったように不況に陥る可能性があると経済学者の中で謳われています。

なので、企業として経済の変化に対応できるように備えることはもちろん、採用方法の変化についても考えておく必要があるのです。


現在の主な採用方法の種類

採用の種類イメージ

では、現在利用されている主な採用方法について紹介していきたいと思います。採用方法は、企業によって異なるのはもちろんのこと、求める人材によっても変化します。また各採用方法のメリット・デメリットを把握しておくことが、円滑に採用する上で大切です。

1.求人広告

求人広告は最も多くの企業が利用しているサービスです。以前は紙媒体や新聞広告欄が主流でしたが、最近ではWeb媒体での求人広告が主流となっています。また、特定の職種や就職希望者に向けた専門性の高い媒体があるのが特徴です。

紙媒体は地域に特化しており、地元での人材を確保したい場合などに利用されています。とくにアルバイト・パートの求人が多く、比較的安価で掲載できるのも特徴です。しかし、掲載期間が短く、多くの求人情報が紙に記載されているため、情報量が限られており、目立つような求人にしなければ募集が集まらない可能性があります。

Web媒体は広範囲の人材や特定の人材にリーチをかけられる、掲載できる情報量が多い、料金体系も豊富にある、という特徴があります。そのため、回媒体よりも、企業のニーズにあわせた求人を掲載するしやすいと言えるでしょう。しかし情報量が多いがゆえに、企業を見つけてもらう工夫をしなければなりません。

参考:求人広告とは

2.ハローワーク

ハローワークは厚生労働省が運営する就職支援や雇用促進を目的としたサービスです。若年層に向けたサポートや農林漁業者の就職支援も実施しています。

国営のため掲載コストがかからないというメリットがある反面、管轄している地域でしか求人を掲載しないので、労働人口が少ない地域は募集しても応募者が募らないことも多々あります。

コストがかからないという面では、長期間求人を掲載が可能です。

参考:ハローワークとは

3.人材派遣

人材派遣は、企業に正社員ではなく、派遣社員として雇い業務にあたってもらう採用方法です。

正社員とは異なり、募集や教育といった時間とコストがかかることを省き、欲しい人材を必要な期間だけ自社の就業にあたってもらうことができます。

デメリットとしては、人材派遣会社とのコミュニケーションやギャップが生じやすく、一時的な課題は解決できるものの、企業の中長期的課題解決が出来ないことや企業の雰囲気が損なわれる可能性が挙げられます。

4.人材紹介、ヘッドハンティング

人材紹介やヘッドハンティング会社とは、求人している企業に自社の人材データベースを使用して、その企業にあった転職希望者を紹介する会社です。

この採用方法のメリットは、経営課題や売り上げが伸び悩んでいる事業に対して十分な経験を持った人材を採用できることや、競合に知られずに採用活動ができることが挙げられます。ただし、採用コストが他の採用手段と比べると割高になってしまう傾向があるため、注意が必要です。

5.ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、人材データベースやSNS、イベントによって、企業が主体的に就職希望者を見つけていく採用方法です。「攻め」の採用とも言われており、従来の就職希望者から企業に応募する流れではなく、企業が就職希望者にアプローチをかけ、採用活動をおこないます。

やり方によっては、求人広告や人材紹介より安価に採用活動ができたり、転職を漠然と考えている転職潜在層にもアプローチできます。しかし、就職希望者から企業に興味を持った訳ではないので、採用までの道のりはとても険しいです。また採用関係者を多く巻き込むため、多くの手間がかかってしまうデメリットもあります。

6.リファラル採用

リファラル採用は、自社の社員に求めている人材を紹介・推薦してもらう採用方法です。労働人口が減少し続けている日本にとって、ゼロから求めている人材を採用することは容易ではないこと。そこで社員の人的ネットワークを通じて、人材を確保するリファラル採用が採用方法の1つとして、注目を浴びています。

社員の紹介や推薦なので、コストがかからず社内の雰囲気などを事前に就職希望者に伝えられることができ、仕事への定着率の向上にも繋がります。前提として、社員が紹介したくなるような環境づくりが必要であり、「リファラル採用を増やそう」と企業側が考えるだけではなかなか成果に結びつきません。また、紹介する社員にとってもリスクがあることなので、慎重に採用をおこなわないと人間関係に悪影響を及ぼします。

参考:リファラル採用とは

7.自社採用ページ

自社採用ページは大手がよく使用している採用方法の1つです。企業がすでにホームページを持っている場合、コストをかけず採用できることはもちろんのこと、自由にページを作ることができるので、就職希望者に対し、多々ある情報を提供したり凝った採用ページを作ることができます。

しかし、企業の知名度・ブランド力がかなり問われるので、中小企業の場合は難しいこともあります。また、その企業に興味がある就職希望者にしかリーチできないので、応募数が予定より多く集まらないといったこともあります。

8.企業独自の採用方法

従来の採用基準とは全くかけ離れたことを採用の条件にしていたり、特殊なスキルを持った就職希望者を採用するといった今までにない採用方法です。こういった採用方法は話題になることが多く、興味本位で受ける就職希望者も多いです。

しかし、「奇抜すぎるため応募者が集まらなかった」といったこともあるので注意が必要です。

9.大学、専門学校のキャリア・就職支援センター

大学や専門学校に必ずある学生の就職をサポートしている場所に求人をだし、採用をおこなう方法です。

企業が特定の大学や専門学校を選択して求人を出し、そこで採用の実績を積めば、今後もその学校から学生を紹介してもらうこともできます。

しかし学校の職員は、キャリアコンサルタントではない場合が多く、学生と企業がミスマッチしてしまう可能性があります。


採用手法を決める際の3つのポイント

イメージ

これまで様々な採用方法を紹介してきました。しかし、ただ採用方法を決めて実行するだけでは、必ずしも上手くいくとは限りません。

採用方法を選ぶ際にも、明確な目標を持ち、選択する必要があります。

1.採用プラン:いつまでに何人採用したいのか

新卒採用は世の中と同じような流れになるため、比較的容易かもしれません。しかし、中途採用の場合は事前に戦略を練ったり、具体的なプランを作成しなければなかなか採用に結びつくことが難しい状況です。

特に大手企業が中途採用を活発になってきている今、中小企業はどうやって人材を確保していくかは、企業の存続にも関わってくる大きな課題です。

だからこそ、採用プランをたてておくと、後々役立つでしょう。

2.人材:どのような性格・雰囲気・スキルを持っているか

どんなに優秀でも、企業の社風や社員に合わない人材を採用してしまっては業績向上どころか人材の早期退職に繋がってしまいます。現に厚生労働省の「新規学卒者の離職状況」によると、「新卒社員の3割が3年いないで辞める」といった調査結果が発表されています。

この主な原因は、企業と就職希望者のミスマッチが起こっているからです。そのようなミスマッチを防ぐためにも、企業は欲しい人材のスキル面だけでなく人物像も含めて明確にし、情報発信する必要があります。

3.職種:どのような仕事を行って欲しいのか

採用プランと求める人材像が決まっても、職種が決まっていなければ企業の発展には繋がりません。特に中途採用の場合は、即戦力を求めていることが多いので、なるべく就職希望者が企業に就職してどのような仕事を任せてもらえるかを想像できるような情報を提示しましょう。

面接でも同様のことが言えます。お互いのミスマッチを防ぐためにも必要なことです。


各採用方法の特徴を理解し、自社にあった採用プランを立てる

採用方法は時代と共に変化し、2021年秋以降大きな転換点に入る可能性があります。

また、色々な採用方法を紹介してきましたが、各企業の求める人材や社風によって相応する採用方法は異なります。どの採用方法にも特徴があり、利用しているユーザー層も変化します。そのためにも、各採用方法の特徴を事前に理解しておきましょう。

企業が成長していくには、ヒトの存在は欠かせません。だからこそ、採用はとても重要な経営戦略の1つです。多様化する採用方法の中で、闇雲に色々な方法を試すのではなく、採用プランをたて、自社のことを深く理解・ブランディングし、情報を発信していきましょう。

【関連記事:よく耳にする「採用ブランディング」とは?そのメリットと方法を紹介!

株式会社ミクシィ・リクルートメント

株式会社ミクシィ・リクルートメント

株式会社ミクシィ・リクルートメントは、IT・Web業界に特化した求人情報サイト「Find Job!」を運営しています。 「Find Job!」は20年以上、40,000社を超えるIT・Web人材を求める企業に活用いただいております。転職情報を閲覧する会員登録ユーザーは、これからのIT・Web業界で支えていく20歳〜35歳が8割を占めております。 IT・Web業界の若手人材を獲得したい企業と転職したい若手を繋ぐ人求人情報サイトとして、企業の採用ニーズと求職者の転職ニーズを満たします。

Find Job!×ferret 終了と移行のお知らせ

2019-09-17 14:38

いつも「Find Job!×ferret」をご愛読いただき誠にありがとうございます。 この度、Find Job!×ferretは9/30(月)で終了することとなりました。

『従業員体験(Employee Experience)』とは

2019-08-21 10:44

従業員体験( Employee Experience 以下:EX)とは、文字通り従業員がその企業で働くことで得られる体験のことです。具体的には、オフィス環境や福利厚生、オンボーディングなど、従業員が企業で働く上で欠くことのできない直接的要因が多く該当します。 このEXが注目されるようになったのは、IT技術の普及により、労働環境のみえる化ができ、今まで暗黙の了解とされていた長時間残業や社内環境が明るみになったことや、採用難による離職率の低下を防ぐことが多くの企業にとって課題となってきたという背景があります。また、転職が当たり前の市場になりつつあるからこそ、従業員が自社で働く理由を見出す必要が出てきたということもあります。 この体験を通じて、企業は従業員の満足度を高めることを目指しています。従業員の満足度を高めることで、先ほど述べたようにエンゲージメントの向上による離職率の低下や日々の業務の生産性向上に貢献することができるのです。

中途入社予定者フォローの必要性と3つの例

2019-08-19 18:16

内定後から入社までの期間をどのように過ごすかで、その人の入社に対する熱量は大きく変化します。実際に、多くの企業は新卒の内定者に対し、懇親会や内定式といった様々なイベントを企画されています。 しかし、内定をもらった中途入社の方に対し、そのような機会を設けることはあまりありません。そこで今回は、中途入社予定者に対する入社までのフォローの必要性と具体例を紹介します。

『エバンジェリスト』とは

2019-08-16 10:26

エバンジェリストとは、IT業界においてテクニカルエバンジェリストとも呼ばれ、テクノロジーの情報や自社サービスのことを、社内外に分かりやすく説明する、エンジニアとマーケターを合わせたような職種です。もともとエバンジェリストとは、キリスト教における福音主義(evangelicalism)からきており、福音(良い音信)を伝える人を指します。

『アルムナイ』とは

2019-08-08 09:30

アルムナイとは卒業生や同級生を意味する英単語「alumnus」の複数形「alumni」が語源になっています。ビジネス界においては、企業から卒業した人、つまり退職者のことを指します。 海外では主流の考え方の1つで、ハーバード大学、オックスフォード大学などはアルムナイに向けて、イベントを企画したり、アルムナイしか買うことのできないグッズを制作したりしています。 外資系コンサルティング会社アクセンチュアでは、アルムナイに対する様々な制度を設けています。具体的にはインターネット上にクローズドのコミュニティを作り、そこで情報共有を行ったり、スキル・人脈をシェアしたりすることができます。所謂オンラインサロンのような役割を担っているのです。


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