採用に役立つ!? 企業が副業を導入するメリットと注意するべきポイント

2018年から政府の方針として、『副業』が解禁されるようになりました。

リクルートキャリアの調査によると、副業や兼業を容認している企業は、まだ約3割と少ないですが、これからより副業が推進されていくことが予想されます。

現在副業をする側に焦点がいきがちですが、企業としても副業を導入しなければならない体制を整えなければいけません。

では、副業をする上でどのようなメリットがあるのでしょうか。

今回は企業が副業を導入するメリットと注意するべきことを採用と照らし合わせながら、紹介します。

副業を容認するメリット

帝国データバンクの調査によると、副業を容認している企業1,047社に「副業を解禁したことにより、得られた効果」を尋ねたところ、

  • 定着率の向上 (26.6%)
  • モチベーションが高まる (16.5%)
  • 従業員のスキルが向上した (16.2%)

というような結果が得られました。

ではその他に、どのような効果が期待できるのかを『採用』という部分に焦点を当てて、詳しく説明していきます。

離職率の低下、人手不足の解消

副業を推進することで、会社へのロイヤリティが高まり離職率を低下することができるということがパーソル総合研究所の調査でわかっています。

具体的には、副業を許可している企業は、得られた効果として約半数の企業が離職率の低下を実感しているそうです。

また、45.9%の企業が優秀な人材の確保という採用面でも効果を実感しているとのことです。

社外から力を借りることで企業の成長を加速させる

社外で副業をすることを従業員に許可するだけでなく、自社でも社外パートナーとして副業する人を受け入れている場合は、社外のパートナーとして自社の課題解決を手伝ってもらえるというメリットもあります。人手不足が謳われている日本で、互いに助け合う関係を築くことは非常に重要です。

特にスタートアップのような人的リソースが限られている企業は、採用や広報、労務のような部分は手が回らない、思うような成果を出せないという声をよく聞きます。

そのような場合、採用を外部の人に手伝ってもらうことや、労務や法務といった部分は、弁護士に頼む事ができ、自分たちはサービスをグロースさせることに注力できるようになります。

専門的な知識を必要としない職種でも、副業者の力を借りる採用を行なっている企業もあります。ソーシャルメディアマーケティング事業を展開している株式会社サイバー・バズでは、『助っ人採用』と称して、全職種に対して副業者を受け入れる制度があります。

この制度の背景には、自社ノウハウの構築や新たな文化の醸成・イノベーションを起こしやすくするといったことがあると述べています。

実際に、インフルエンサーや新規事業の立ち上げの業務を『助っ人』として副業者を採用し、自社のノウハウの構築や生産性の向上に繋がっているそうです。

【関連記事:学生のSNS活動を部活と同じく評価する会社?サイバー・バズの「インフルエンサー採用」の狙いとは

副業ができる企業というブランディング

記事冒頭で述べたように、未だに副業を解禁している企業は多くありません。

なので、副業を解禁することは『副業できる企業』というブランディングが求職者に対してできるのです。そうすることで、求職者の母数を増やすことも可能です。

エンジャパンの調査によると、正社員のうち「副業に興味がある」と答えた割合は88%と、ほぼ全ての正社員は副業に興味を示していることがわかります。


参照元:https://corp.en-japan.com/newsrelease/2017/3537.html

この結果からもわかるように、『副業ができる』ということは簡単に企業としてのブランディングができる手段として役立つのです。

副業を導入する上で注意するポイント

実際に企業が副業制度を導入するには、どのような点で注意が必要なのでしょうか。

今回は3つに分けて解説していきます。

情報セキュリティをどうするか

どうしても気になるのが、セキュリティ面での情報漏洩です。副業を禁じている企業の多くは、このリスクがあるため、禁止している理由の1つとしています。

なので、情報セキュリティは、副業をしている人がどこまで介入していいのか、同レベルの機密情報を開示しなければいけないのかを明確にしておく必要があります。

また、そのような事態が起こってしまった場合に処罰を与える制度の確立や契約書の取り交わし、社会人として当たり前の機密保持する倫理観を持って、信頼関係を築いていかなければいけません。

企業として容認するのであれば、誰が副業をしているのかを最低限把握しておく必要はあるでしょう。

従業員の労働契約内容を把握する

労働基準法では、1日に8時間以上の労働をすると、従業員に対し割増賃金を支払わなければなりません。また、副業をしている従業員の労働時間管理が難しくなってしまうといった影響があります。人事はこの部分を理解しておく必要があります。

雇用形態にもよりますが、副業を導入する側からすると、もし自社の従業員が副業先と雇用契約を結んでいた場合、副業先の労働時間も自社が管理・把握しなければなりません。

逆にフリーランスや個人事業主として副業先と契約を結んでいた場合は、その副業者の自由であり企業側が副業者の労働状況を把握しなくても問題ありません。

このような労働に関する法的な部分をしっかり理解し、従業員の契約内容を把握した上で、副業制度を導入することが大切です。

就業規則の確認と必要に応じた改定を

もし就業規則で副業を禁止していた場合、副業を解禁するには就業規則の変更が必要です。

この就業規則を改定するには、所管の労働基準監督署に届出をしなければなりません。全面的に副業を取り入れるのか、部分的に取り入れるのかを決め、メリット・デメリットを検討し導入しましょう。

副業を上手く活用している企業

サイボウズ株式会社

グループウェアの開発や運用を行うサイボウズ株式会社は、『複業採用』という採用手法を取り入れています。『100人いれば、100通りの働き方がある』と考えており、社員が誰でも会社に断りなく自由に副業できる環境が整っています。

給与の決め方も特徴的で、『市場性』と『社内での信用度』で決まります。このような制度を取り入れた結果、一時期は離職率が28%もあったのに対し、現在では4%というような効果があったと発表しています。

参考元:サイボウズにおける 副業(複業)の推進事例

株式会社エンファクトリー

マーケティングやソーシング支援を行う株式会社エンファクトリーは、『専業禁止!!』を合言葉にパラレルワークを推進している企業です。副業をするのは収入のためではなく、自身が主体的に関与する、「主」業として進めることを指しています。

あえて『専業禁止』と打ち出すことで、「してもしなくてもいい副業」という認識から、「自分自身にはどのような力があり、これを仕事にしよう」という副業に対する意欲が自然と掻き立てられるようになりますよね。

参考元:エンファクトリーが目指すのは“あの組織”!?「専業禁止」を貫く新しい組織のかたち

株式会社ミクシィ

様々なコミュニケーションサービスを提供している株式会社ミクシィでは、申請を出し上長が認可すれば副業が可能です。

エンジニアやデザイナーが多く在籍している企業というのもあり、アプリのシステム開発やデザインなどといったことを副業として行なっています。

実際に取り組んでいる従業員は、趣味の延長のような形で副業が位置付けられているので、本業にも差し支えないどころか、より視野が広がったなどという声も上がっています。

参考元:副業って本業に役に立つの? 副業しているスタッフに聞いてみた!

まとめ

企業が副業制度を導入するには、就業規則の手続きや制度の見直しなど、数多くの工程があると思います。

働き方改革の一環として、「副業解禁」が注目を浴びるようになりましたが、副業を導入する本質的な意味は、企業としての成長や従業員のモチベーション向上といった部分にあります。
​​​​​​​目先のことに囚われず、中長期的な視野を持って副業という制度を導入することが大切です。

Find Job!×ferret 終了と移行のお知らせ

2019-09-17 14:38

いつも「Find Job!×ferret」をご愛読いただき誠にありがとうございます。 この度、Find Job!×ferretは9/30(月)で終了することとなりました。

『従業員体験(Employee Experience)』とは

2019-08-21 10:44

従業員体験( Employee Experience 以下:EX)とは、文字通り従業員がその企業で働くことで得られる体験のことです。具体的には、オフィス環境や福利厚生、オンボーディングなど、従業員が企業で働く上で欠くことのできない直接的要因が多く該当します。 このEXが注目されるようになったのは、IT技術の普及により、労働環境のみえる化ができ、今まで暗黙の了解とされていた長時間残業や社内環境が明るみになったことや、採用難による離職率の低下を防ぐことが多くの企業にとって課題となってきたという背景があります。また、転職が当たり前の市場になりつつあるからこそ、従業員が自社で働く理由を見出す必要が出てきたということもあります。 この体験を通じて、企業は従業員の満足度を高めることを目指しています。従業員の満足度を高めることで、先ほど述べたようにエンゲージメントの向上による離職率の低下や日々の業務の生産性向上に貢献することができるのです。

中途入社予定者フォローの必要性と3つの例

2019-08-19 18:16

内定後から入社までの期間をどのように過ごすかで、その人の入社に対する熱量は大きく変化します。実際に、多くの企業は新卒の内定者に対し、懇親会や内定式といった様々なイベントを企画されています。 しかし、内定をもらった中途入社の方に対し、そのような機会を設けることはあまりありません。そこで今回は、中途入社予定者に対する入社までのフォローの必要性と具体例を紹介します。

『エバンジェリスト』とは

2019-08-16 10:26

エバンジェリストとは、IT業界においてテクニカルエバンジェリストとも呼ばれ、テクノロジーの情報や自社サービスのことを、社内外に分かりやすく説明する、エンジニアとマーケターを合わせたような職種です。もともとエバンジェリストとは、キリスト教における福音主義(evangelicalism)からきており、福音(良い音信)を伝える人を指します。

『アルムナイ』とは

2019-08-08 09:30

アルムナイとは卒業生や同級生を意味する英単語「alumnus」の複数形「alumni」が語源になっています。ビジネス界においては、企業から卒業した人、つまり退職者のことを指します。 海外では主流の考え方の1つで、ハーバード大学、オックスフォード大学などはアルムナイに向けて、イベントを企画したり、アルムナイしか買うことのできないグッズを制作したりしています。 外資系コンサルティング会社アクセンチュアでは、アルムナイに対する様々な制度を設けています。具体的にはインターネット上にクローズドのコミュニティを作り、そこで情報共有を行ったり、スキル・人脈をシェアしたりすることができます。所謂オンラインサロンのような役割を担っているのです。


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